教えて苫米地先生「稼ぐとは何か〜ファイナンスの極意をしっかりと理解しよう」
2025/4/25 更新
「稼ぐ」とは、果たして何を意味するのでしょうか?
働いて対価を得ること。投資で資産を増やすこと。あるいは、好きなことを仕事にすること。
多くの人がこの問いに直面しながらも、その本質にたどり着くのは容易ではありません。
ドクターは、「稼ぐ」とは単にお金を得る行為ではなく、"煩悩との向き合い方"であると語ります。
そして、ファイナンスの本質を理解することこそが、真に自由で豊かな生き方を手にする鍵になると指摘します。
今、多くの人が「不労所得」や「金融商品」、さらに「ギャンブル」による"楽な稼ぎ方"に目を奪われがちです。
しかし、果たしてそれは本当に人を幸せにするのでしょうか?
今回の講義では、「稼ぐとは何か」という問いを起点に、ベーシックインカム、支出と収入の関係、そして"商品をつくる"という真のファイナンスの意義について、徹底的に解説します。
自らの労働と価値創出で、誰かの役に立ち、社会に貢献するとはどういうことか。
そして、お金に振り回されずに生きるためには、何を知り、何を捨てるべきなのか――。
経済的自由やライフデザインに真剣に向き合いたいすべての人にとって、多くの洞察を与えるはずです。
Vol.1 「お金を稼ぐ」とは、煩悩との向き合い方である
――先生、今日はシンプルに「お金を稼ぐ」とはどういうことですか?ということをお聞きしたいと思います。
苫米地 「お金を稼ぐ」がどういう意味かでいろいろ答え方はあるけど、一言で言ってしまえば、お金という煩悩との付き合い方ってことだから、答えは簡単。お金はお金の煩悩を満たしてあげればいいだけ。もっと言うなら、すべての煩悩を解決するのは我慢することじゃなくて満たすことなんだよね。
で、その時に2つのやり方があって、一つは日本をベーシックインカムの国にする。だって、国民の100%が賛成するでしょ。国が毎月25万円くれるって言ったら。4人家族なら100万円だぜ(笑)。もちろん税金は引かれないよ。いま公務員が可哀想なのは公務員の給料にも税金がかかるんだよ。おかしくない? 彼らの給料は税金なのに、そこからまた取るって二重取りでしょ。これを許したら、ベーシックインカムに対しても税金を掛けるという論理になるからこれはダメ。ベーシックインカムは誰に対しても無税だよ。
――大賛成です!
苫米地 ところが、これに対して国民の100%が「うん」て言わないからよくわからないんだよ。理由はおそらく、ベーシックインカムの利点をちゃんと言う政党がないからだろうけど。
もう一つのやり方は簡単で、収入よりも多い支出をしないこと。600兆近いGDPがある日本で、普通に働ける人が給料を得られないということはない。だから、その収入にあった支出をすればいいだけ。あとは選択。自分のしたい職業を一個選んだとして、必ず収入は入ってくる。それが25万円に満たない場合もあるけど、それにしたってやりようはあるよ。一番簡単なのは北海道なんかに住めばいい。物価はだいぶ安いし、家賃も安いよ。大阪だってだいぶ安い。
――う~ん、確かにそうですが。
苫米地 何か不満? だって自分の好きなことをやっていればいいわけでしょ。
だから、職業をファイナンスにしちゃダメなんだって。それは別に作るんだよ。職業はやりたいことをやる。それは社会に機能を提供するもので、社会に機能を提供するものであれば、いまの日本では必ず収入が発生するから、その収入以内に支出を押さえれば問題なくない? お金の煩悩もなくなるよ。だって、足りてるんだから。問題が発生しているのは、お金が足りないって思ってしまうカラクリをいっぱい仕込まれているからだよね?
――「もうちょっと贅沢を」って思うんですよね(苦笑)。
苫米地 だったら、もうちょっと稼げばいい。じゃあ、稼ぐとは何か?ってことだよね。
――はい、そこです!
苫米地 みんなそこで間違うわけだ。中でも一番の間違いは新NISA。新NISAって「金を払え」っていう意味だからね。金を払って金を稼ぐのはバカ。詐欺に引っかかってるのと同じだよ。いま問題になってる国際ロマンス詐欺も結婚詐欺じゃなくて、金を取られる詐欺だからね。あれはミャンマーが拠点で、民族反乱軍が元締めなのね。その反乱軍の資金源の一つが国際ロマンス詐欺なんだよ。
――17歳の日本人がいたとか。
苫米地 あの事件で解放された人たちのほとんどが犯罪者だからね。じゃあ、なぜ、こんな犯罪が増えるのかというと金で金が稼げるという不労所得の論理を広げるからだよ、政府が。
――ということは金が欲しければ、馬車馬のように働けってことですか?
苫米地 違う違う。馬車馬のように働く必要はなくて、支出よりも多く働けというだけ。馬車馬はたぶんやり過ぎ。逆に節約も違うよ。節約というのは必要なのに買わないことで、必要なものは買うの。日本で普通に働いていればだいたい手取り16万円ぐらいには最低でもなるでしょ。それだったら安いけど家に住めるし、服も買えるし、メシも食えるし、それで何が悪い?
――う~ん。もうちょっと贅沢に暮らしたいです。
(vol.2に続く)
※続きは、入会してお読みください→入会はこちらから