教えて!苫米地先生 「エソテリシティ・コーチング」
2024/10/31 更新
ドクターの最新のコーチングセミナーのテーマは「エソテリシティ・コーチング」だったそうです。「エソテリシティ」とは、秘伝や密教を意味する言葉であり、コーチはクライアントに密教的なアプローチで介入していきます。
もちろん、この説明だけで「エソテリシティ・コーチング」を完全に理解できる人は少ないでしょう。そこには、ドクターにしか語り得ない斬新なロジックが込められているからです。
ただし、これまで苫米地式コーチングを学んできた人にとっては、決して難しい話ではありません。今回の講義をビジュアライズ、つまり視覚的にイメージしながら、何度か読み込んでください。
ここでも大事なのは、現状の内側に置かれたクライアントのゲシュタルトを崩壊させ、再統合するということです。その際、これまでのゲシュタルト内には存在しえなかった異質な要素をも取り入れるわけです。
ここで出来上がる新たなゲシュタルトは、まさに密教でいう曼荼羅のようなもの。コーチはクライアントに、これまで単一的な視点では見えなかった、現状の外にある新たな曼荼羅的な世界を見せてあげるのです。
ただし、その概念を理解したからといって、それが簡単に実現できるものでしょうか? その答えは、あくまであなた自身にあります。
コーチングが人類の進化の歴史と戦い、現状の外へと人々を導いてきたように、まずはあなた自身が現状の外にある世界への臨場感を高めてください。
そのためのステップが、今回の講義には凝縮されています。
Vol.1 ゲシュタルトと曼荼羅
――先日、エソテリシティ・コーチングというセミナーをされたそうですが、エソテリシティって、秘伝という意味じゃないですか。凄く興味が湧くんですが、一体どんな内容だったんですか?
苫米地 エソテリシティって秘伝という意味もあるけど、今回は、密教という意味で使っているのね。
――み、密教? 密教コーチングですか!?
苫米地 そう、面白そうでしょ(笑)。
――はい、もの凄く! というか、密教とコーチングって共通点あるんですか!?
苫米地 一見なさそうに見えて、それがあるんだよ。そもそも、コーチングは情報空間のものでしょ? バランスホイールのすべてのゴールは情報空間にあるし、そもそもゴールも情報空間にあるわけだからね。例えば、「健康」だって、いまは数値で見ているわけで、「この数値からこの数値までが健康です」というのは完全に情報空間の話でしょ?
――言われてみればその通りです。
苫米地 「健康」は、健康データを軸にした空間で、バランスホイールはその軸がそれぞれ違うだけのことで、これを言い換えれば、社会に提供する機能の軸の違い。「職業」と言ったり、「趣味」と言ったりするわけだ。エソテリズムの場合も同じで、密教だから、そもそも情報空間の話であり、なおかつ、なんでもありの空間なのね。この、なんでもありの空間に現状を叩き込む、というのがエソテリシティ・コーチングの基本的な考えね、簡単に言うと。
――どうやって現状をなんでもありの空間に叩き込むんですか?
苫米地 現状を一回バラバラにして再統合するのね。細かくなっていくんだけど、なぜかユニバーサルになっていく。それを徹底的に臨場感をもってやることによって、逆に現状というゲシュタルトに介入する。介入してバラバラにして再統合する時に、まったく異質なものを入れちゃうってことね。異質なものを入れても統合できちゃう。
――コーチが入れるんですか?
苫米地 介入するのは当然コーチだよ。ただし、コンテンツにはかかわっていないんだよ。クライアント本人の無意識の中でそれが起きるわけだ。それが「統合していく」ってことね。そのためには「違う会社に行ってますけど」ってなってるわけだ。あとで、考えると「それは退職ですけど」って(苦笑)。現状というゲシュタルトをバラバラにして再統合していく、ってことが密教なのね。実際、空海がそういう人だよね。宗教の人だと思っていたら書道をやってるし、土木までやってるからね(笑)。それが密教で、全部、統合的にやるってこと。宮本武蔵もそうだよね。剣をやって、書をやって、絵もやって、詩もやってたでしょ。しかも、それぞれがトップレベルぐらいまでやっている。あとは圧倒的な情報量かな。だから、現代人で言えば音楽やって芸術やって武術やって、って、それだけでかなりの情報量だけど、それを一つの曼荼羅として実際に相手に見せてあげることが必要ってことね。
――曼荼羅ですか!?
苫米地 曼荼羅って日本では金剛界と胎蔵界しかないけど、チベットとかネパールにはいろいろあるからね。丸い絵の中にいろんな仏さんがいるのね。観音さんとか。あれ一つ一つに神話がある。仏教はバラモン教と信者の取り合いがあって、バラモン教を取り入れて密教を作ったわけ。だから、本当の武具を取り入れてみたり、音楽を取り入れたりでいろんなことをしていく中で、神話もドンドン取り入れていったんだよ。実はこれはどこの宗教でもやっていて、道教とかは老子の隣に仏陀って書いてあるからね(笑)。ヒンズー教の神様も入ってるよ。キリスト教の多くの教義なんか、ミトラ教からきているからね。12月25日のクリスマスはミトラ教の教祖の誕生日。イエス・キリストの誕生日は知られていないんだよ。あとバラモン教の神様にはシュメールの神様も入っている。いろんな神様を取り込むことで、いろんな宗教も密教化していくわけだ。なので、インドやチベットなんかに行くと日本に来てる金剛界、胎蔵界に入ってる神様たちより遥かにたくさんの神様がいる曼荼羅がいっぱいあるんだよ。それは日本でも、昭和になってからチベットに行ったりして知られるようになるけど。 あと、曼荼羅って円じゃないんだよ。球体なのね、世界観は。観音様、仏様たちに全部ストーリーがあって、それが立体的なのね。華厳経というお経がそうだよね。曼荼羅の球が、ミラーボールみたいにお互いに反射し合っている世界が華厳の世界なのね。巨大な宇宙曼荼羅空間が華厳経の空間で、一個一個のミラーボールの光ってるところに一個一個のストーリーがあるわけだ。特に大乗仏教空間って異常に時間も長いし。法華経の時間は、宇宙の歴史よりも長いからね。だから、もの凄く巨大なストーリーがいっぱい入っているのが密教空間。それを維持するのがまさに曼荼羅で、それを現実に見せてあげるってこと。わかりやすく言えば、俺の個人コーチングを受けた人は、控室がまず曼荼羅空間であることを知るわけだ(笑)。
(vol.2に続く)
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