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教えて!苫米地先生 「明治維新の裏で糸を引いた"秘密結社"の正体」

2018/1/29 更新

苫米地理論の基礎や世の中の重要な出来事や概念について、「今更聞けない......」なんていう素朴な疑問を、ドクターの出版企画に数多く携わるライターの中村カタブツ君氏が、ドクターに直接インタビュー&構成し、誰もが理解しやすいテキスト形式でお届けしているのが当講座です。

 NHK大河ドラマ『西郷どん』のスタートで、あらためて注目を浴びている明治維新とそこで活躍した幕末の志士たち。

 このドラマにかかわらず、明治維新に関わるエピソードや志士たちの活躍ぶりは、「近代ニッポンの夜明け」を招いた革命として、日本人好みの物語として認知されてきました。

 しかし、これまでもドクターが著書で指摘してきた通り、明治維新の実態、そこの行き着いた歴史の流れは、そうした美談で語られるようなものではなかったというのです。

 倒幕を実現した薩長の真の狙いは何だったのか? 

 薩長は、本当に勤皇の志士だったのか?

 大久保利通や坂本龍馬は明治維新の中心人物と呼べるのか?

 さらに、その背後にあったとされる「秘密結社」の正体とは?


 これまで語られてきた「明治維新の常識」に、今回も新たな視点でドクターが一石を投じます。

Vol.1 明治維新は日本の乗っ取り

──今年のNHK大河ドラマは『西郷どん』ですけど、これってやっぱり政府の薩長贔屓がいまだに続いているってことでしょうか?
苫米地 いま反明治維新本が人気だから、来年明治維新150周年に向けてそういう流れを変えたいっていうのがあるのかもね。このインタビューが載る頃には、オレの新しい明治維新本も、本屋さんに並んでるんだろうけど(笑)。

──それは楽しみです! 確か、今回は秘密結社の話がからんでくるとおっしゃってましたけど、明治維新にも秘密結社ってからんでいるんですか?
苫米地 フリーメイソンとかは確実だよね。あとは日本に昔からある結社的なつながりだよね。

──日本に昔からある結社......。ん? いまふと思ったんですけど、"勤王"ってどうですか? 薩長だけじゃなくて水戸藩まで入るわけで、大きな意味での結社になりませんか? 
苫米地 でも、それを言ったら幕府こそ勤王だからね。幕府が錦の御旗を見て降参しちゃったってことは、勤王だったって一番の証拠じゃん(笑)。じゃなきゃ、旗を見ただけで降参するわけないからね。

──そうか。公武合体もあったわけだし、徳川はもともと勤王だったんですね。
苫米地 だから、明治維新は"尊皇開国"じゃなくて、日本の乗っ取りなんだよ。そこを間違えてる人が多いよね。で、乗っ取りって大義名分がないとダメでしょ。いまだったら「北朝鮮って怖いでしょ」って言って、イージス・アショアを日本政府が買ってるのと一緒(2017年12月19日、日本政府は米国製の陸上配備型イージス・システムことイージス・アショア2基の導入を閣議決定している)。だけど、イージス・アショアって、実際はアメリカが、ロシアや中国からのミサイルを撃ち落とすために日本に配備したいだけだからね。

──先生だけがそれをいま口にしてますね。
苫米地 オレ以外に誰も文句を言えないのは、「日本を北朝鮮から守るんだ」って言われたら言い返すことができないから。恐怖を煽られちゃって、論理的に考えられなくなってるんだよ。明治維新もそれと同じで、金看板は"勤王"なんだよ。これを言われたら、幕府だって文句が言えないわけだ。だから、"日本における結社とはなにか?"といえば、それは簡単で、日本を乗っ取りたい人たちが作った組織ってことなんだよ。じゃあ、日本を乗っ取りたい人たちって誰かって言ったら、"反徳川の人たち"であり、"関ヶ原で負けた人たち"っていうのが基本でしょ。

──つまり、薩長だと。
苫米地 だけど、その後ろにいるのは外国人だぜ。関ヶ原で勝ったほうは外国人に日本を渡す気はないけど、負けたほうは乗っ取れるんだったら外国人とでも組むぜって考えるのは当たり前でしょ。

──いまのアラブ情勢みたいですね。いずれにせよ、結社というくくりでいうとやっぱり薩長ってことになりますね。
苫米地 ただし、薩長は結社というほどのものでもないね。結局、そういう言葉が出てくるっていうのは世界の結社のことをよく知らないからだよね。たぶん、多くの人が結社ってどういうモノかを知らないでしょ?

──はい、本やノンフィクション的な映像で見るだけです。
苫米地 オレは実際に知ってるからね。結社って本当の中心人物はどこでも5人、10人の少数なんだよ。それはフリーメイソンだってそうだし、ヨーロッパの結社もそう。そういう結社は全世界に支部があって各支部の会員数だけなら少なくて数百人、多くて1万人ぐらいは居るよ。だけど、本当の中心幹部って、その中にはいないからさ。東京・芝のロッジに入ってるお医者さんみたいな人たちで、要はお客様として入ってる人たちでしょ、彼らは。そういう人たちが結社かっていうと、メンバーではあるだろうけど、違うよね。本当の結社って数人の幹部のことで、彼らは鉄の結束があるわけだ。実はそれは薩長も一緒で、ほんの数人だけが薩長で、あとはヤクザでいうところの準構成員みたいなものなんだよ。だけど、準構成員をヤクザっていう(笑)?

──いやぁ、愚連隊とかですね(苦笑)。
苫米地 でしょ。二次団体ぐらいまではヤクザでも、三次四次になると、本人たちがヤクザって言ってるだけで、ハタから見ると違うよね(笑)。

──ただ、大久保利通ぐらいになれば構成員になるんじゃないんですか?
苫米地 大久保ぐらいになればね。だけど、桂太郎とかっていうと微妙でしょ。準構成員だったんだけど最後は偉くなったみたいな感じ。昔の民主党で言えば野田(佳彦)さん、オウムで言えば野田(成人)君的なポジション(笑)?

──ああ、よくわかりました(笑)。
苫米地 だから、坂本竜馬なんかは絶対に違うと思うよ。準構成員でもなくて、ただの洗脳されちゃった人(笑)。

──それでいうと伊藤博文も本来は準構成員っぽいんですけど、最後は偉くなって。
苫米地 オレはね、伊藤は外国人だと思うよ。農民出身で武士の株を買ったとか言ってるけど怪しいよ。だって、使い捨てじゃん、最初の頃は。イギリス領事館を焼き討ちしてこいとか、誰それを暗殺して来いとかって、そんなことばっかりさせられてるぜ。物凄く使い捨てのコマ感があるよ。だけど、運良く生き延びて、力をつけていったんだよ。だいたい、初代総理大臣を誰がやるってなった時に「オレがやる」って言ってるんだよね、伊藤は。

──相当ゴリ押ししたみたいです。
苫米地 そこに日本的な奥ゆかしさゼロでしょ(笑)。伊藤はあの時代の日本人っぽくないんだよ。というか、薩長そのものが当時の日本人っぽくない。普通の日本人だったら、錦の御旗を偽造できないって。

──あっ! そうですね!
(Vol.2に続く)

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