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新講座『教えて!苫米地先生』を特別公開中

2014/3/31 更新

いよいよスタートする新コンテンツ『教えて!苫米地先生』。
この講座は、苫米地理論の基礎や重要な概念について、「今更聞けない...」なんていう素朴な疑問を新たな視点で学んでいただこうと企画されました。読みやすさを重視したテキストベースのコンテンツで、今後クラブ苫米地では、このように動画だけでなく文字を通しても皆さまに情報をお届けして行きます。
インタビュアーと構成を手がけるのは、「週刊女性」「KAMINOGE」などで連載や数多くの書籍など、ドクターの出版関連業務に携わる中村カタブツ君氏。洗練された切り口でドクターにどんどん質問をし、より深く、より分かりやすく、話を掘り下げていきます!

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そんな『教えて!苫米地先生』の第1回となる今回は「四次元ってなんですか?」をテーマにお送りいたします。
苫米地理論には、四次元、A次元、時間は未来から過去に流れる、など、次元に関する様々な記述が出てきますが、四次元と言えばドラえもんの四次元ポケットなどSF上の概念を連想するというカタブツ君氏......。それに対するドクターの解答は......?。
読めば読むほど理解が深まり、思考の抽象度が上がるコンテンツとなっています。
(このコンテンツは、1回のテーマを3回に分けて、1週間ごとに更新していきます) 
イラスト/© Azuki - Fotolia.com

その1. 時間とは空間のひとつの座標である

苫米地 今日はなに?

──CLUB TOMABECHIの新コンテンツ『教えて!苫米地先生』になります。いまさら聞けない苫米地理論に関する素朴な疑問などをどしどし聞いていこうというものです!

苫米地 いいよ、どんどん聞いて。

──では、第1回は「四次元って何ですか?」です。この世は四次元空間だと先生を始め、多くの科学者たちがいってますが、なんかうまくイメージできないんですよ。

苫米地 たぶんそれはね、縦横高さの三次元に、四つ目の軸の"時間"が追加されるって発想をしてるからじゃない? 「四つ目の時間軸ってどこにあるの? 見えないじゃん」って。

──正直にいうと、ドラえもんの四次元ポケットみたいなものしかイメージできないんですよ。どっか別の空間があって、秘密道具がいっぱい置けるのが四次元、みたいな(苦笑)。

苫米地 要は時間軸なんてものは物理空間にはないよって、みんな思ってるわけでしょ。でも、あるからね。

──えっ、あるんですか?

苫米地 あるよ。なぜなら、いま地球上の一点を定める時に三次元上の座標だけでは足りないでしょ。東経何度、北緯何度、標高何メートルじゃわからないでしょ。

──......ん? いえ、その三つがあれば座標は確定できると思うんですけど。

苫米地 そう? じゃあ、そこでどうやって待ち合わせするの? 時間決めなきゃ待ち合わせできないじゃん。

──......あっ、そうか! 4つ目の軸がないといつまでたっても出会えない!!

苫米地 ね。そう考えれば、時間は空間の一つの座標なんだって理解できるでしょ。それが時空連続体っていう考え方で、「時間と空間は同じモノ」っていうのは、そういう意味。それが四次元の論理であり、アインシュタインの相対論に通じていくのね。

──相対性理論まで。はあ〜、それにしても四次元って実は"待ち合わせ"だったっていうのが凄いですね。

苫米地 イメージしやすいでしょ。お勉強ってそういうこと。記述するのは数式でも、頭の中ではそういうものがイメージされているわけね、数学者にしても物理学者にしても。で、そのイメージが情報空間であり、CLUB苫米地に入る人間はそういった情報空間にアクセスできるようになってほしいし、なれるように俺が導いていくってことね。

──よろしくお願いします! ところで、そもそもの話なんですが、四次元空間が現実にあると意識して生きるのと、意識しないで生きるのとではなにか違いがあるんですか?

苫米地 大違いだよ。だって、この世が四次元空間だってことは三次元空間なんてないってことだぜ。それを三次元空間だと思って生きていたら、どうなる? いろいろ間違えるよね(笑)。

──確かに間違えますねえ(苦笑)。ということはスタートの時点で間違っていたんですね。

苫米地 そういうこと。具体的に言えば、三次元空間があると思っている人は昔から神は一切変わらないと思ってる人っていってもいい。バラモン教だったらアートマンは永遠に変わらないと思ってる人ね。もちろん、そういう宗教を信じてる人はいいけど、少なくとも現代科学の知見では未来永劫なんてないわけだ。数学上の不完全性だって証明済だしね。ということはこの世に三次元っていう空間はない。四次元空間しかない。

──では、四次元を三次元として生きてる人というのはどういう存在なんですか? 

苫米地 だから、幻想で生きてる人。子供(笑)? 子供は自分の寿命は無限にあると思ってるわけだからね。大人でもそういう人いるでしょ。30代で35年ローンを組む人とか。俺にはその感覚が理解できないんだよ。だって、だいたい70歳だよ、ローン終わるの。自分のものになった時にはあと10年ぐらいで死ぬんだぜ。そのために一生ローンを払い続けるの? バカだよ、それ。

──バカって(苦笑)。でも、みんなそれをやってるんですが。

苫米地 それはローン会社に騙されてるんだって。あなたの寿命は永遠ですっていう前提じゃなければ35年ローンなんてありえないでしょ。そういう人は四次元空間に生きてないんだよ。でも、釈迦は四次元空間に生きてる。それを刹那瞬っていうのね。我々はこの瞬間に生まれ、この瞬間に消える存在。それをもの凄い短い時間にやってるから気がついてないだけなの。宇宙は一瞬で生まれて、一瞬で消えるっていうのが一念三千刹那瞬の論理。物理学的に言えば、プランク時間ね。10のマイナス44剰分の1秒という凄い短い時間に生まれて消えるっていうのが宇宙という存在。それが釈迦の論理じゃん。だから、我々も常に消滅して生まれているのね。映画のフィルムように一コマ、一コマのように生まれている存在なんだけど、映写機を回せば連続してるように見えるでしょ。でも、実際は繋がっていないってことね。

──繋がっていない? ということはゴールとか、未来というのはどうなるんでしょうか?

苫米地 未来は存在しているよ、既にね。ただし、結実させるのはこの瞬間だけ。で、結実した瞬間消えてなくなる。だから、未来も一念三千刹那瞬の論理に中にあるわけ。もちろん過去もそうで、過去だって本当は存在していない。記憶の中にだけしかないんだけど、それも人間の脳は認識するのに200ミリセカンドぐらいかかるから存在したと認識した時にはもう存在していない。

──未来も過去も現在も一念三千刹那瞬であると。でも、それを知った四次元人はどういうふうに生きていけるんですか? 

苫米地 それは永続することに役割を見いだせるってこと。

──永続? 一瞬で消えてなくなるのに、ですか?

苫米地 そう。永続っていってもそれはアートマンが永続するわけじゃない。縁起が永続するの。チベット密教の生まれ変わりを例にすればわかりやすいと思うけど、生まれ変わりってあれはアートマンが生まれ変わったわけじゃないのね。アートマンがやった縁起を次の人が継いだから生まれ変わりっていうの。だから、ツバをペッて天にはいて、100年後に自分の顔にペチャってきたら、その人が生まれ変わり。大切なのは縁起を継続するってこと。アートマンは死ぬけど、縁起は止まらない。自分がやったことの玉突き運動は永遠に続くわけで、玉突き運動にこそ永続性があるわけだ。だから、四次元人であるということは、社会に対してなんらかの影響の残ることをしている人のことをいうのね。だから、釈迦は四次元人だっていえるわけでしょ。釈迦が縁起そのものを説いてまわることにしたのは、それが社会的機能を果たすから。それは現代人も一緒で、なんのために職業があるのかっていうと、永続的な縁起を残すためだってことね。自分のアートマンを生き延びさせるわけじゃないんだって。

──自分の子孫を残すためですらなくて、社会に影響を与えるために生きているのが四次元人。

苫米地 そう。刹那瞬っていうのはそういうことでしょ。明日交通事故で死んでるかもしれないなんていうのは百も承知。でも、その人のやった行為は自分が交通事故に遭おうが遭うまいが続くわけ。三島由紀夫の書いた本をいまだに読んでいる人がいるのと同じ。三島が存在しようがしまいが、三島の縁起は残るわけでしょ。その縁起に意味を持たせることが刹那的生き方であり、四次元人ってことになるわけだ。

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